上海ディズニーランドはカオスなのかどうか、実際に行ってみた。
パリ以外の世界のディズニーを全て巡ったディズニーファン歴30年の30歳のおじさんが、備忘録的に「何かと話題な上海ディズニーランドの長い長い長いレビュー」を書こうかと。
上海ディズニーランドについてはハード面で特筆すべき点がかなりあるのだが、まずは皆さんが真っ先にイメージする「上海ディズニーって、中国だしカオスそう…」 ここんとこ、実際はどうなの?という点を、事実ベースに書こうと思う。本来一番まとめたいアトラクションについては、後日ゆっくりとUPしていく予定。
※仕事があるので更新ペースは緩いはず。
報道されている内容を検証してみた
報道:幼児の糞尿まみれ
実際:さすがに野グソ、立ちションはいなかった
報道:落書きだらけ
実際:皆無。跡すらない。
報道:花壇が荒らされる
実際:皆無。
報道:ポイ捨てだらけ
実際:ゴミ一つ落ちてません。
報道:上裸のオッサン
実際:1人いたね 笑 クソ暑かったからね。
報道:怒号、罵声、ケンカ
実際:無い。家族同士でケンカしている光景は結構見た。あととにかく声がデカくて甲高い人が多いから、それをケンカと誇大解釈したのでは?
報道:どこでもタバコ吸いまくり
実際:これはけっこう目についた。2時間に1人くらい?100%男性。だいたいが30後半~年配者。上海DLはお国柄か、喫煙所が他国のパークよりもダントツで多かった。
報道:トイレで足を乾燥
実際:いねぇよw トイレの清潔度は普通。人が大勢集まるところのトイレの清潔度が「普通」っていうのは、中国ではすごいことだ。ハンドドライヤーはdyson!TOTOが契約出来てたらなー!中国式便器(和式みたいな)あり。洋式便座の上に乗っかっちゃう人もいるからちょうどいいかと。
報道:追い越し、横入りでカオス
実際:追い越し、横入りは少数だが、いるっちゃあ、いる。
基本的に整然と並び、大きな混乱はなかった。列の途中であとから追ってくる友人を待っている人が多かったのが印象的。
カリブに並んでいた時に、一度若いカップルの女性が列の折り返しでスッと前に入ろうとした。私の友人が止めたところ、後ろであとから「痛いわねーもー!なんなのよこの○○!!」とパチキレていたが、隣の彼氏がドン引きしていたし、「そういうイタイ女だった」ってことでしょう笑
ディズニーの追い越し対策が強固で感心
各国ディズニーパークのアトラクションのキューライン*1は、基本ロープで区切られている。これは待ち時間の長さによってキューラインの長さを調整したり、キューラインを分割して複数ある乗り場に均等にゲストを振り分けるためだ。
一方でこちらが上海ディズニーランドのキューライン
鉄柵でガッツリ区切られている。しかもこの高さも、くぐれず跨げず、という絶妙な設計。
この幅にも注目。中国で並んでいると、横幅いっぱいにとにかく詰めて、という光景が結構多く、その結果後ろの人が前に来ちゃってイザコザが起こることもある。キューラインの幅は、だいたい大人2人分。2人並んでいると、ちょうど追い越せそうで追い越せない幅になっているのだ。うーんさすが!
まぁとはいえ、抜いていく人はいるんだけどね 笑
だいたいが「奥で家族が先に並んでいるんだ、通してくれ」といった感じ。こういった人は普通に通してあげるあたり、Family bondを超大切にする中国ならではなのかも。(列の先に本当に家族がいるかはわからない)
報道:入園がカオス
結論:カ オ ス で すwwww
これは報道の通り。
上海に限らず、世界のディズニーリゾートではテロ対策のために
①手荷物検査 ②チケット認証
の二段階を踏んでインパーク*2するのだが、①、②共にとんでもない人だかり。私より1週間前に行った上司は、①、②でそれぞれ1時間も待ったそうな。中国の空港を経験した方々ならわかると思うが、みんなとにかく色んなもんを持ってきちゃうんですわw あと、チケットが無かったり確認書類が無かったり。そういうのもゴネれば何とかなると思っている人もいるので、結果的に列の進みは結構遅い。ココらへんは要改善ポイント。
※日本人は本人確認にパスポートが必要なので気をつけてね。あと、荷物があってもロッカーや荷物預かりサービスがあるから心配しなくていいけど、TRONとか一部アトラクションは荷物があると乗れない(アトラクション付近に無料ロッカーあるので别担心)から、身軽が一番。
混雑対策:朝行こう。朝イチで行こう。
私は事前にこのカオスっぷりを仕入れていたので、私は入園混雑ピークの時間帯、すなわち「9−10時を避ける」という対策を取った。何時に行ったかって?
6時半wwwww
ディズニーバカwwwww
結果どうだったかって?
手荷物検査
→既に多くの人が並んでいたがほぼ待ち時間なし
チケット発券
→ほぼ待ち時間なし
「開園前倒し」も、早朝入りした理由のひとつ。
この日の開園予定時間は朝8時。しかし多くのゲストが押し寄せる週末(私は7/16土曜日に訪問)は、開園予定時間が前倒しになるケースが多いと聞いていたのだ。実際予定より30分前倒しの7:30に開園。その後一定量のゲストをパークの中央まで待機させ、7:45から全てのエリアが開放された。
早朝入りが功を奏して、
Soarinのファストパスゲット!
TRON奇跡の5分待ち!
このスタートダッシュがあるかないかで、上海ディズニーランドを楽しめるかどうかはだいぶ変わる。アトラクション編は攻略法を含め後日UPする予定だが、ストレスのないパーク巡りをしたいならば、朝早く行って、夕方に帰るべし。フロリダ、香港を除く*3ディズニーパークでは、朝を制するものはパークを制するのだ。
はい、じゃあ続き。
報道:食べ物が高い
結論:
①中国の相場で言うと :とても高い
②上海の相場で言うと :そうでもない
③東京の相場で言うと :ちょっと高い
④ディズニー相場で言うと:大体こんなもん
国によってメニューが異なるので、全パーク共通で存在するハンバーガーのセットで比較してみた。場所はトゥモローランドのStargazer Grill 。為替相場は7/18/2016のレートを参照。(RMB=JPY15.74、USD=105.54)
ご参考までに、中国でスタバのラテは30元(472円)。中国に住んでいる人からすると、上海ディズニーランドのフードは「おう、ちょっと高けぇな」というのが正直なところ。
気になる味は?
全然食べられる。普通においしい。レベルで言うと、マクドナルド以上バーガーキング未満、といったところ。写真と実物が著しく異なります、ということはなかった。
むしろバンズがフカフカしていて、やるじゃない!と思ったくらい。
総評:日本で報道されているほどカオスじゃないよ!むしろ、中国の中では相当レベル高いよ!
日本の報道は大げさ
上海ディズニーについての日本の報道はかなり偏っている。日本で放映される中国関連のニュースの多くに言えることだ。私は別に親中派でもないが、ある一部分がさも中国の全てであるかのように報道されている事実を、中国に住んでいるからこそわかる。
日本のニュースで取り上げられているようにマナーの悪いゲストが「一部」いることは事実だが、全てのゲストのマナーが悪いわけではない。
結局日本で報道されている上海ディズニーランドの話題は、「中国こんなカオスです!やばくないですか?」 と取り上げたほうが視聴者も閲覧者も喜ぶので、そうしているのでしょう。中国の人々のマナーは一言で言ってしまえばお国柄なので、仕方ないといえば仕方ない。それよりも、伊集院光大先生が苦言を呈したように、その一部だけをピックアップして報道する姿勢の方が、よっぽど眉をひそめてしまう。
というか、
・子供の野グソ
・どこかしこでタバコ吸っちゃう
・割り込み、追い越し
・おっちゃんが腹出してる
こういうの、ぶっちゃけ中国では
『日常茶飯事』ですから!
北京の六本木と呼ばれる三里屯のど真ん中でだって、世界遺産でだって子供にガッツリ野グソさせてる親を見たことあるし、タクシードライバーだって客乗っているのにタバコ吸いだすヤツいるし、割り込み、追い越しなんて、「列進んでんのにスペース空けるやつが悪いんだろう」ってスタンスだし。ちなみに中国の人々は追い越されないように、並ぶ人同士の距離が異常に近い 笑
※中国の割り込みに関しては文化的背景など色々と深いので、別の機会に。
でも、繰り返すがそういう人はごく少数。
1級都市(北京・上海・広州)に住んでいる人々の教養は平均的に高いし、昨今の海外旅行ブームによって、海外旅行を経て自国のマナーを省みる人達も多い。地方都市の人だったり、高齢の方々にはまだあまりマナーがなっていない人々もいるけれど、それだってあくまで傾向として、だ。
13億人もいると、「そういう人もいる」ということ。まぁでも、街を歩くと「そういう人」にはほぼ毎日遭遇するけどね 笑
そんな中国の日常からみたら、上海ディズニーランドの清潔さや整然さはダントツだ。清潔さで言えば東京ディズニーリゾートとほぼ変わらない。
次回予告:日本で報道されないけれど、上海のアトラクションはとんでもないぞ
細かいところを見ると多少改善ポイントはあったが、上海には、それを補って余るくらいのとんでもないアトラクションの数々が集結している。このアトラクションのとんでもなさは、また次回じっくりと解説していく予定。今回の記事で上海ディズニーランドに対する過剰にネガティブな誤解を改めたうえで、上海ディズニーランドの持つ魅力を知ってもらえたら、きっと上海ディズニーランドに対する認識も変わると思う。
…とんでもなかったよ。