上海ディズニーランドはカオスなのかどうか、実際に行ってみた。その3:どんなに期待値を上げても、それを軽々飛び越える世界最高傑作、上海版カリブの海賊
世界最高傑作のPirates of the Caribbean,いや世界最高のアトラクションと言ってもいいかもしれない。
はじめに断っておくが、今回のアトラクションの記事は、解説として成立していない。このアトラクションに関しては、全く筆が進まなかった。私の描写力が稚拙であることもあるが、このアトラクションをどう解説すれば、私が味わった感動が伝わるのか、みなさんが体験したいと思ってもらえるのか。どう考えても答えが出なかった。もはや言語化できない、いや、言語化してはいけない。そう思ったので、詳しいストーリーやポイントは本記事には記載していない。30歳のおじさんが小並感(小学生並みの感想)でもって酒の力を借りてバコバコ打った、という認識の上でスクロールしていただければ幸いだ。
早速の小並感だが、とにかくすごい。
2006年だったかな?アナハイムのディズニーランドのカリブに乗ったときに、大型帆船と要塞の海軍が撃ち合うシーンの空間の広さがとんでもなくて、TDLとのスケールの違いに驚愕したが、それどころじゃない。
上海ディズニーランドのカリブの海賊は、とんでもない。
ポイントは新しいボートライドシステム、だと思っていた
"Floating omniover ride"というボートライドの新たなシステムをディズニーが2013年に特許を取得してから、マニアの間ではいつ、どこで、どのアトラクションに導入されるのかという議論があったのだが、これが世界発導入されたのが、そう、上海ディズニーランドなのだ。
個人的には、いろいろと調べていたこのライドシステムについてと、事前公開されていた画像(下のもの)が実際どんな感じなんだろう、という2点の検証のためにカリブに乗ろうと考えていた。
この新システムがどういうものか、実は記事公開前に詳しく書いたのだが、敢えて消去した。上海版カリブの売りは、この新システムだと思っていた。上の写真も、「あぁあのシーンの帆船が2隻になって、スケールが大きくなるってことでしょ?」くらいにしか思っていなかった。ところが実際は、この革新的なシステムですら、その後体験する驚きのたった一つの要素に過ぎなかったのだ。
もう、書けない。
本音を言うと、一万字以上かけて詳しく解説したい。でも、どんなささやかな要素ですら、ネタバレしたくないのだ。あまりに緻密で、あまりに壮大で、あまりに予想外。その全てを楽しんで欲しい、身を以て体験して頂きたい。だからこそ、書きたいけど書けない。
ここまで煽ってしまうと、「一体どんなもんや?」と気になってしまうのが人間の常。でも間違っても、Youtubeやリークサイトで自分でネタバレしないでほしい。この記事を書くにあたって、再度Youtube等でじっくりレビューしたが、まっっっっっっっっったく伝わらない。逆に動画で見てしまうと、「こんなもんか、もっとすごいのに」とすら思ってしまう。収まってないんだもん、全然。
※因みに酒が入っているのもあるが、その動画を見てあの感動が蘇って、一人部屋で「やっぱやべぇ、なんだこれwww」と一人つぶやき、ちょっとジワッときている。
今回の記事を書きながら、「あーこれからあのカリブを初体験する人たちが、まだ一杯いるんだなぁ。羨ましいなぁ」という気持ち。
辛気臭い話になってしまうが、年齢を重ねれば重ねるほど、心の底から感動する経験はどんどん減っていく。私も久しくその感覚を忘れていた。全身鳥肌が立ち、頭から脊髄の芯にかけて、ツーンと幸福感が染み渡っていくあの感じ。
この体験を、なるべく多くの方々に経験してもらいたい。
この経験を、Youtubeやサイトでチェックして、自ら半減させないでほしい。
その代わり、
自分の中での期待値を「死ぬほど」上げておいて欲しい。保証する。あなたが上げまくった期待値を、想像を、このアトラクションは軽々飛び越え、あなたを覆い尽くしてくれる。
VRなんか目じゃないな、と。
仕事柄、今話題のVRも体験したことがある。VR、すごいよ?あれこそエンタテインメントの未来だ、と言われても否定しない。でも、あんなもんじゃない。よりPhysicalな没入感。あぁ、これはVRでも当分出せない、というかVRじゃもう感動しなくなったと思う。それくらい圧倒的な体験。
中国にいてよかった、上海ディズニーランドに日本が近くてよかった
この上海版カリブを体験できただけで、私は中国にいて良かったと思う。そして、日本からたった3時間ちょいで上海に、上海ディズニーランドに行ける立地にいてよかったと思う。繰り返すが、間違いなくこの上海版カリブの海賊は、世界一のアトラクション。USJのスパイダーマン、ハリーポッターを体験したときは、ディズニーフリークの私ですら正直、「あぁディズニーやられちゃったわ」と思った。それくらいUSJのあの2つのアトラクションは、とんでもない完成度だった。今でもあの2つのアトラクションは、世界ランカーだと思っている。
フロリダで体験したWDWのアトラクションの数々も、「さすが本国は違う」と感動した。キリマンジャロ・サファリなんて、すごいよ?Expedition Everestも、すごいよ?僭越ながら、一般的な成人男性よりも世界各国のアトラクションを体験してきた自負はあるが、それらのアトラクションと上海ディズニーランドのカリブは、全くの別次元。ディズニーイマジニアの本気を見た。人間の想像力と最新技術が最高レベルで結実したものは、ここまでのものになるかと。
乗ったらどうなるの?
私はちょっと泣いた。「すげーーーー!!」と叫びすぎて声枯れた。乗り終わった後は呆然。前回紹介したメンバーの反応としては、ただただ感動。「他はいいから、これはもう一回乗ろう」と。全会一致でその日2巡目したという。どう考えてもピークタイムで、カリブの割に混んでいる時間帯だったが、それでもいいと。それくらいの感動。
何時乗ったらいいの?
嬉しいことにこのアトラクションはボートライドなので、一度に乗船できるゲストのカズが多く、回転率がかなりいい。どんなに混雑しても、待つのは無理というほど混雑することはないだろう。約半月の観測で言うと、
午前中:5−30分待ち
昼過ぎ:平均40分、ピークで70分待ちくらい
夕方:混雑が落ち着き平均30分、遅めのタイミングだと15分くらいかな
オススメは夕方。あまりに出来が良いため、一発目に乗ると後がダレるかも。
もうね、これ乗って帰っても全然元取れる。
もうね、とにかく行って、カリブ乗って、感想を語りましょうよ!
最後に、散々言っておいて、これだけは書いておきたいネタバレw 以下で解説するシーンは、アトラクションの本編には関係ないため、知っていても体験の感動には支障がないので、厳密にはネタバレではない。これは解説がないと、わからない人にはわからないポイントだが、実はとても深いメッセージが込められているところ。ディズニーフリークおよびどんな些細なネタバレも嫌な人は、以降は読まないようにお願いしたい。
下の写真に見覚えがある方は、きっと以前東京なり、他のディズニーリゾートなりで、カリブの海賊を体験してきた方だと思う。
©Disney
Pirates of the Caribbean | Rides & Attractions | Disneyland Park | Disneyland Resort
牢屋に閉じ込められた海賊が、牢屋の鍵を咥える犬を、なんとかしておびき寄せようとする、世界各国のclassic版(これからは敢えてそう呼ぶことにしよう)カリブの海賊の印象的なワンシーンだ。
上海版カリブの物語が始まる冒頭、ボートに乗っていざ出発してすぐに、こんな光景を目にする。
私はこれを見たとき、不覚にもウルッと来てしまった。
Classic版カリブの海賊のあの有名シーンが、長い年月を経て白骨化している。それも新たなストーリーが始まる前に、この光景を目にすることになる。
このシーンを上海版カリブにも登場させたことは即ち、上海版カリブの海賊は、紛れも無くディズニーパークの伝統を受け継ぐ『カリブの海賊』であることの証明。長い年月を経て白骨化した様は、カリブの海賊の歴史に対して敬意を示すと共に、その歴史を勇気を持って過去と定義したというメッセージではないだろうか。このシーンが上海版カリブの新たなストーリーのすぐ前に位置していることからも、このシーンを過ぎた後から始まるストーリーが、カリブの海賊の新たな歴史をつくるという強い意思表明なのだろうな、と。
新世代のカリブの海賊を創り上げたディズニーイマジニアの、先人に対する深いRESPECTと強い意思表明に、ただただ感動。キャラとか、世界観とかももちろんすごいのだが、私がディズニーに未だ魅了されてやまないのは、こういったところだ。